おでん種の中では、人気ランキング常に上位のダイコンやゆで卵、コンニャクなどに比べて、やや下位に甘んじる傾向にある練り物ですが、どれも欠かせない具材であることはもちろん、おでんのつゆにさらなる旨味を加える種物ということで、ダシの役割を担う部分もあります。とりわけつみれ団子は、ちくわやさつま揚げよりも魚のすり身という原材料の雰囲気が色濃く残っているだけに、おでんの味と香りをさらに深めることにも貢献しています。にもかかわらず今一つ注目されにくく、人気ランキングで10位以内に入っていないばかりか、おでん種不要ランキングにその名が挙がる不名誉にも甘んじており、もう少し良さをアピールするべき具材と考えられます。
おでん種としてのつみれの人気が今一つとなっている要因の一つが、濃厚に残る魚のすり身風味と言えます。イワシやアジなどの青魚の赤身が使われる地域と、スケソウダラなどの白身魚が使われる地域とがありますが、魚が苦手な人にとっては、ちくわ等に比べて魚らしい香りや味わいが残っているところで、今一つ食指が動かなくなるようです。とは言え、そこにこそつみれの実力があらわれているところで、特にイワシ等がまるごと使われているタイプは、昨今、急速に人気を高めているオメガ3系脂肪酸が、最も効率よく摂れる食材の一つということになります。元々DHAやEPAが血液サラサラや記憶力アップに良いと言われていましたが、それらとアンチエイジング対策にも有効とされる成分アルファ・リノレン酸をも含むオメガ3系脂肪酸は、うつ病予防にも役立つことが最近明らかにされ、人気をさらに沸騰させています。
とれたて新鮮なイワシが堪能できる千葉県の漁港近くでは、つみれになる一歩手前とも言える「なめろう」が賞味できることで知られています。つみれ団子でもたっぷり摂れるイワシの栄養素が生の状態で、しかも日本が誇る発酵食品・味噌とのコラボレーションで、栄養がいっそう高められた一品になっています。瀬戸内では、ヒラメが使われたものがポピュラーとのことで、寿司ネタとしても上品な雰囲気を持つ魚だけに、それをつみれにすること自体、贅沢感があります。イワシに比べると淡白な味わいということで、味噌を混ぜるなめろうには向かない雰囲気もありますが、刺身で賞味できるほど新鮮なものが手にはいた折には、白味噌などと合わせてみるのも一興です。新鮮なヒラメの仕入れ方は、ネット通販からであれば実物を品定めできないだけに、信頼のおける卸ショップを見定めて、そこから購入することで安心して美味を堪能できます。